リウマチと関節リウマチの違いについてお話します。実は、症状が似ているため、正しく認識されていません。関節が腫れあがってくることを特徴とする病気です。痛んで、腫れて、熱を帯びて、赤みを帯びてくるのが典型的です。これが関節炎です。しびれるのではなく、関節が腫れあがって痛むのです。現在日本には、60~70万人の関節リウマチの患者さんがいます。女性の患者さんが男性の3~4倍と多く、20-30代での発症も比較的多いです。
原因不明ですが、免疫能力の変調で、ある種の病的蛋白が関連していることは明らかです。病的たんぱく質は、リウマチ反応と称され、血液中に検出されます(通常は陰性のはずのものです)。主に、全身の関節膜(滑膜)に炎症を惹起して、痛みだし腫れてきます(滑膜炎あるいは関節炎という病状です)。いったん腫れたらそう簡単には引きません。関節炎が持続し、次第に骨や軟骨の吸収反応が起こるため変形・強直(固まる)に至ってしまうのです。
残念ながら、湯治で体を休めても治りません(腫れあがっているのに、温泉で暖めても良いとは思えません) また、リウマチ反応のような病的たんぱく質は、体のあちこち(内臓)に炎症を起こすことがあります。関節炎よりも内臓の病状が強く出ているときには膠原病と呼ばれるのです。関節リウマチは膠原病の中の1疾患とみなされています。
さて、関節リウマチ、膠原病は、何よりも的確に診断することが大事なことは言うまでもありません。また、もし診断を受けた場合、しっかりとした治療を(内服や注射や手術)受けなければいけません。漫然と痛み止めでしのいでいてもだめなのです。是非、一度ご相談ください。 当クリニックでは、問診・診察・諸検査(主に血液検査、エックス線検査)を通して、さまざまな痛みやしびれの出現を適切に診断し、最善の治療が受けていただけるように、専門的判断をしたいと考えております。